再開発ビルに限らず商業施設における賃料の決定要因は単純なものではなく、商圏、立地条件、周辺地域の賃料の相場、建物の建設費、店舗の売上高、ビルのグレードや空室率、築年数、区画の位置や形状などさまざまな要因が組み合わさって決定されています。
言い換えれば、賃料は、その商業施設の姿を最もよく表す定量的指標の代表ですが、その背景にある賃料を構成するさまざまな要因をマネジメントできているかどうかの能力の様態を示すものであるとも考えられます。
これから7回のシリーズで賃料をマネジメントの係わりのなかで分析し、再開発ビルのマネジメント問題を再考することを試みることとしました。各シリーズでは以下のテーマを設定しています。
第1回-「日本のSCの賃料・共益費の推移と動向」から市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考える
第2回-「日本のSCの立地による賃料・共益費」から市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考える
第3回-「日本のSCの規模による賃料・共益費」から市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考える
第4回-「日本のSCの業種による賃料」から市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考える
第5回-「区分所有者にとっての賃料・共益費の基本問題等」を考える
第6回-テナントにとっての賃料・共益費」を考える
最終回-「賃料・共益費の分析」を通じて 市街地再開発ビルのマネジメントを再考する
第1回「『日本のSCの賃料・共益費の推移と動向』から市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考える」は、以下の内容で構成されています。
<第1回の内容>
1.賃料・共益費に影響がある外部環境の変化
2.SCの開設状況
3.SC協会調査による「これまでの10年間の賃料・共益費の推移と動 向」
4.「賃料・共益費調査」と再開発ビルのマネジメントについて